評価:★★★★★ 著者:南條範夫 出版社:徳間書店(文庫版再刊!) 文庫⇒定価920円 出版年月:2005年10月 ボリューム:541P
巷説寛永御前試合は虚構である。 事実は、秀忠の次子・駿河大納言忠長の御前で行われた 十一番の真剣試合が、その下敷きとなっている。 その日、駿河城内には腥風悽愴と荒び、 戦国生き残りを賭ける武芸者たちは、 だが、無骨さゆえの生きざまが宿痾となって、 だれもが破滅の淵へと疾走し、血海に斃れていった。 日暮れ、人去った城内は寂として声なく、 人心の倦厭の気のみ残されていたという。 時代巨篇。 (amazon.co.jpより)
山口貴由のマンガ『シグルイ』の原作。 駿河の竜徳川忠長の面前で繰り広げられる十本勝負+αの剣術アクション。
各編とも試合の描写は数ページ。 内容の90パーセントは、いかにして死合うに至ったか。 立会いの緊迫感も凄いが、そこに至る人間ドラマも濃密。
『シグルイ』で藤木源之助対伊良子清玄編を知る人は多いだろうけど、 あれと同じレベルの濃いドラマが更に10編・・・
特に印象に残るのが、 美少年・美女に切られるのを無上の快楽とする座波間左衛門と 彼を夫の仇とするキヌ。 美女アユメをめぐり、一門壮絶な殺し合いを展開する塚原卜伝の弟子たち。
そして、終章剣士凡て斃る・・・
今まで、戸部新十郎が剣豪小説NO1だと思ってたけど、 これもまた捨てがたい。
ちなみに、ボクが持ってるのは再刊版じゃない方の文庫版。 一時、アマゾンのユーズド価格で3万円!の値がついてたやつ。 大宮のBOOK OFFで105円で買いました 笑
スポンサーサイト
テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌
|