★★★☆☆ 著者:打海文三 出版者:角川書店 上巻⇒定価:1575円 出版年月:2004年10月 ボリューム:351P
破滅へ向かう世界と日本を予言する、傑作長編。 大問題作! 近未来。内戦下の日本。 両親を亡くした七歳と十一ヶ月の佐々木海人は、 妹の恵と、まだ二歳になったばかりの隆を守るため、 手段を選ばずに生きていくことを決意する・・・ (amazon.co.jpより)
孤児部隊の世界永久戦争、邪悪な許しがたい異端の。 上下2巻で描く日本の夕暮れ。 『バースト・ゾーン』、『半島を出でよ』。 映画は『亡国のイージス』。
不景気からの脱出は囁かれ始めましたが、日本人のマインドは灰色模様。 沈みゆく太陽は止まらないよう。 どこかに終末、エンディングを待ち望む思いがあるのかしらん。
こないだ読了した『バースト・ゾーン』もインパクト十分でした。 でも、リアリティとなるとこの作品に譲ります。
中央集権体制の崩壊した日本。 軍閥、アメリカ、在日外国人マフィアを主要アクターに麻の如く乱れる。
主人公、佐々木海人。 妹と弟を守る為、良い教育を受けさせる為、戦い続ける少年兵。 月子と桜子、ガールズマフィア・パンプキンガールズを結成。 「この国に平和を!」なんて言ってる場合じゃない。 今日を生き抜くために一生懸命です。
ポイントはマイノリティの団結。 女、子供、外国人、同性愛者、娼婦、「弱者たち」の有志連合。 軍閥、中央政府という「強者」の存在を前提にしているから 結束できるんだと思います。
その意味では、エンディング後が非常に気になる小説。 有志連合の将来は? 大人に、強者になりつつある海人はどこにアイデンティティを求めるのか?
魅力的な登場人物、設定を活かして続編執筆を希望。
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