評価:★★★★☆ 著者:川上弘美 出版社:文藝春秋(文庫版あり) 文庫(文春)⇒定価:460円 出版年月:2005年9月 ボリューム:231P
小さな曾祖母、人間界になじめなかった蛸、海へ帰りたがる海馬。 遠いカミの世から訪れたものとの愛情を描く川上弘美の短編集。 (amazon.co.jpより)
人の世界に紛れ込んできた人外のものとの交情を描く。 登場するものが凄い。
人間になりすまし、足で女を篭絡するのに長けた蛸。 陸に上がり人の間を転々とする海馬。 アパートの一室を駆け回る顔三つの荒神さま。 人間と同じように会社に勤め、精力をなくした人間を拾い集めるウゴロモチ。
彼らと交情する人間の側も現実からずれている。 異界との接触を無意識に望んでいるよう。 7世代前の先祖に一目ぼれする女。 社宅の壁をぽろぽろとかじる女。
「轟」が眼前に広げる世界は圧倒的。 「海へ帰りたい」という言葉のインパクトも圧倒的。
こんなアナザーワールドに浸ってしまうのも悪くない。
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