★★★☆☆ 著者:皆川博子 出版社:講談社(文庫版あり) 文庫(講談社)⇒定価1000円 出版年月:1998年9月 ボリューム:685P
東海の強国駿河は、守護今川氏親の手で着々と覇道を進んでいた。 東に北条、北に武田、大国が激しく牽制しあう戦国の世、 氏親とその妻妾の息子たちも、奇しき愛憎の闘いに巻きこまれてゆく。 野望のままに、 広大な富士の裾野を馳ける武者と修験者たちの凄絶な生と死。 今川一族の興亡を描き切った傑作長編。 (amazon.co.jpより)
戦国今川5 brothers story! 桶狭間の戦いで有名な今川義元。 義元に2人の兄弟(氏輝、恵探)がいたことは知られています。 彼ら3兄弟+歴史には現れなかった2人の兄弟の交錯を描く物語。
信長に簡単に倒されたことでイメージの悪い義元。 今川・武田・北条3国同盟の立役者、名軍師の誉れ高い大原雪斎。 表の軸はこの2人。
裏の軸として、富士修験の生き神 サクヤ様(女神を装うイケメン)。 サクヤ様に使える巫女 照日。 神懸りの彼女が物語にどう絡むか。
印象に残ったのはサクヤ様。 出自に由来する虚無。 自分は何なのか、どう生きればいいのか、何が望みなのか。 彼の悩みの多くは、現代社会を生きる我々にも通ずるところあり。
サクヤ様は、ある事情から、足を折られ、醜いキズを負うことに。 望めば避けられたような事情。 障害を負う⇒自らの可能性を区切る⇒自己定義?を狙ったのでしょうか。 そして、意外な形での歴史舞台への登場。 名を上げることで虚無から逃れられるのか。
繊細さから今川家当主としての務めを果たせない氏輝。
将として当主として適性を持ちながら、側室の子として生まれた恵探。
生来豊かな情を持ちながら、 雪斎のしつけで欲望、情を抑え、将として成長する義元。 嫡子 氏真の誕生、雪斎の死が与える影響は・・・
持って生まれたnatureと闘う今川5兄弟。 その結末は・・・
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