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ねぶかどねざる
独断と偏見に基づき、小説やマンガ、ゲームをぶった斬るブログ。               ★の数で評価(最大5つ)。オススメやコメントよろしく
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御家の狗
★★★★☆
著者:岳宏一郎 出版社:毎日新聞社(文庫版あり)
文庫(講談社)⇒定価:680円 出版年月:2005年7月 ボリューム:316P

幕府の金山経営を一手に握り、家康さえも恐れた異能の男・大久保長安。
三河一向一揆を指揮し、家康を滅亡の寸前まで追い詰めた本多正信。
ひと睨みで二百余の諸侯を震え上がらせた、
家康の懐刀・本多正純と豊臣家の股肱の臣・福島正則との仄かな友情。
家臣の枠を超えた巨才と御されることを拒む奔放不覊な精神、
敢えて数奇な運命を選択した、誇り高き男たちを描く群像歴史小説。
(amazon.co.jpより)


類稀な才、胆力。
主の手を食いちぎりかねない犬たち。
大久保長安。
トドの容貌に藤十郎というミヤビな通称のアンバランス、
120万石の代官、石見・佐渡2カ国の主にまで成り上がった異能。
主家康とのギリギリの意地の張り合い。
容は異なれど、秀吉と政宗の関係を彷彿とさせます。

本多正信。
一向一揆加担の過去を持ちながら、家康の智嚢にまで成り上がった男。
愛憎混ざり合った大久保一族との因縁。

本多正純。
浮かび上がる姿は、陰険な謀将、官僚ではなく、
秀才として天下の執政として矜持を保つことに拘る孤独な人物。
主秀忠に対してさえプライドを曲げ様としない、頑固さが招く悲劇・・・
流刑先の秋田での長男正勝との不器用なやりとり、白眉です。

『群雲、関ヶ原へ』に顕著ですが、
著者の最大の魅力はキャラクター設定の巧みさ。

戦国という特殊な時代を生き抜いた男たち。
誰をとっても凡人には測りきれない曲者揃いですが、
見事に描ききる筆力、構成力。

コジツケ組織経営譚や陳腐な人生訓偉人伝ではない、
人間ドラマとしての時代小説を読みたい人にオススメ。

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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

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