★★☆☆☆ 著者:高橋直樹、出版社:講談社 定価:1995円 出版年月:1997年4月 ボリューム:355P
孤独と闇―― 内なる力に突き動かされ破壊の野を駆け抜けた若き日の信長。 時代小説の旗手が放つ新しい信長像。 (amazon.co.jpより)
天才の通り道に積み上がる屍、肉親縁者も容赦なし。 まさに天魔の所業なり。 信長の偉業、桶狭間をスタートに書かれることが多いです。 でも、この作品は、 清洲、岩倉、弟勘十郎など、織田家の内紛~桶狭間合戦にフューチャリング。 長篠も姉川も安土城も出てきません。 でも、長槍隊、鉄砲隊の編成、 藩屏となっていた叔父の謀殺を通じ、 信長の非常・非情を余すところ無く伝えます。
凄まじきは天才であるがゆえの孤独。 父親にも、弟にも、叔父夫婦にも充たされぬ肉親の情。 唯一の救いが吉野だったのではないでしょうか。
勘十郎の謀反、今川義元の侵攻、 幾たびも命の瀬戸際に立たされる信長。 「命に限りがある」、 彼独特の死生感、哲学が涵養され、クリスタライズされていきます。
旧体制の徹底的な破壊のため、戦国乱世を駆け抜けた感のある信長。 英雄、天才とたたえられますが、本人は幸せだったのか。 信長の孤独、その一端を味わってみてください。
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