★★★☆☆ 著者:平岩弓枝 出版社:文藝春秋(文庫版あり) 文庫(文春)⇒定価:670円 出版年月:2003年10月 ボリューム:416P
室町幕府の全盛期を築いた将軍、足利義満。 冷徹な計略で天皇の地位をも狙う野望を抱きつつ、 絢爛たる北山文化を繁栄させ、世阿弥と耽美な交わりを結ぶ。 しかし、栄華の裏で、義満は、乳人への秘めた恋心に苛まれていた。 その孤高な魂に去来する思いとは。 新たな視点で、人間・足利義満を描いた渾身の歴史小説。 (amazon.co.jpより)
天子の位を窺う獅子、その叫びに帯びる悲しみの色。 室町幕府第3代将軍足利義満。 南北朝の合一、日明貿易、金閣寺建立・・・ 足利将軍は、義満と義政だけ覚えてる人も多いはず。
でも、彼がどんな人間だったか、どんな一生をおくったのか。 ボクは殆ど知りませんでした。
人間義満を描いたのが本書。 第1章「青龍」⇒運命の人、玉子との出会い、室町幕府揺籃期。 義満を必死で盛りたてる細川頼之夫妻が印象的。 第2章「朱雀」⇒義満の朝廷デビュー。黄金の青年期。 第3章「白虎」⇒山名、大内ら有力守護との争い、義満の権力は頂点へ。 第4章「玄武」⇒皇位簒奪の陰謀、朝廷の切り札イケメン坊主満済の苦悩。
緻密に計算された構成。 第1章で乳母玉子との魂の交流をしっかりアピール、 王者義満の抱える脆さを読者に納得させます。 そして、第4章の盛りあがり。 二条良基から刺客として送られた満済。 次第に義満の魅力に惹かれ。。。 満済の苦悩、義満の野望、この章だけ取り出しても読み応えのある小説です。
男色家義満と世阿弥、満済の耽美な交わり。 (と言ってもベタベタではなく、男のボクが読んでも我慢できるレベル)
中世日本が生んだ一人の英雄、 彼の夢、野望、孤独、知らずに済ますには刺激的すぎます。
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