★★★☆☆ 著者:石田衣良 出版社:徳間書店 定価:1785円 出版年月:2004年9月 ボリューム:445P
平凡な一人の男が、天を衝く塔を崩壊から救う。 高さ2キロメートルの塔が幾多の危機を越え、雲を分け聳え続けるのだ。 世界を救うのは、夢みる力! 魂の冒険と愛の発見の物語。 石田衣良の新たな挑戦―心ゆすぶられるヒューマン・ファンタジー。 (amazon.co.jpより)
末期ガン患者、200年後の未来を救う! 設定はピュア100%のSF。 末期ガン脳患者の意識がタイムトラベル。 200年後の子孫の体を借りて未来を舞台に活躍。
この200年後の世界の設定がおもしろい。 人類はウィルス戦争で壊滅寸前。 生き残った富裕層&技術者は地上2キロの塔に住み、 残りの多数は「地の民」(平均寿命30歳!)、モグラ族などに。 貧富の差、生活レベルの差は絶大。相次ぐ地の民の自爆テロ。 現代社会の南北問題を投影した構図。
住んでいる高度がステータスを意味するこの世界、 現代人・瀬野周人は予言通りの救世主となれるのか。
登場人物、設定、都合良すぎだろ!って面も多い。 「未来を救うために最新のウィルス情報を教えてくれ」って言われて、 素直に信じるやつ、いないでしょ。 現世&未来のタケイリーナ、男にとってホントに都合のいい女。 主人公にベタボレで言う事は何でも聞くし、体もすぐに開く・・・ しかも、あんな形で未来を救うとはね。
でも、石田衣良の文章力が怒り・疑惑を消し去っちゃいます。
それにしても、 200年後の世界より新宿ホワイトタワーでの億ション生活の方が、 現実感に乏しい・・・ バブル期でもあるまいし、2億円以上で売れるマンションって。。。 貧乏人には想像もつかない間取りなんだろう。
手に取った感じの割にはボリュームもある本。 サクサクと読めるので通勤・通学にどうぞ。
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