★★★☆☆ 著者:戸部新十郎 出版社:祥伝社(全2巻) 上巻⇒定価:860円 出版年月:2000年7月 ボリューム:245P 下巻⇒定価:900円 出版年月:2000年9月 ボリューム:307P
大坂城炎上の深更、薦包みを積んだ小舟が淀川を下った。 乗るは甲賀忍者紀ノ一貫。舟は船霊に守られた怨念船である。 やがて瀬戸内に至り、暁天の光の中、薦を割って出たのは、 五三ノ桐の紋を絹の小袖に透かした高貴な人物― 右大臣豊臣秀頼であった! 落城の折りに自害したはずの彼がなぜ…。 西へ落ちる秀頼を追うは、徳川の命を受けた伊賀の長・服部半蔵。 秀頼を守るは甲賀と組んだ真田の勇士たち。 秘法VS.秘法の激闘が開始された…。 秀頼の薩摩落ち伝説を描く不朽の長編時代伝奇、ここに新装刊。 (amazon.co.jpより)
伊賀忍軍&柳生衆vs真田十勇士。 伝奇ファンなら見逃せない、術と技のぶつかり合い。 豊臣秀頼は生きていた! 彼を守り西国、南蛮へ落ち延びようとする真田の残党。 それを追うのは、公儀の手の者。柳生、服部・・・ 西日本をまたにかけた忍術合戦の行方は。
下巻では、島原の乱に揺れる九州が舞台。 十勇士、あるいはその子を連れ、再来した秀頼。 開聞岳に本拠を構え、 蜂須賀、細川、木下、豊臣恩顧の大名に使いを送るその真意は。
大胆な構図、モーゼの3宝など、設定の妙が生きている。 でも、スゴイのはやっぱり忍法合戦。
男を蕩かす忍法なめくじら。かけられた男は精液を出し続け死に至る。 触れたものを破裂させる忍法金剛の掌。 南蛮のトランプ魔術、竜を食らう怪鳥カルラを操る魔法、 外道の技のオンパレード。
極めつけは服部半蔵。 「隠没」し、この世の者ともあの世の者とも知れぬ忍びの大家。 殆ど喋らずに圧倒的な存在感を示す秀頼もスゴイ。
伝奇の妙がここに凝縮している。
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