★★★☆☆ 著者:朝松健 出版社:早川書房(文庫) 定価:670円 出版年月:1998年8月 ボリューム:398P
最も残虐な人間と、最も邪悪な神々が手を組み、 史上最悪の軍隊が誕生した。 とどまるところを知らぬ悪鬼の所業は世界を震えあがらせる。 激動の時代、急激な勢力拡大を果たしたナチスドイツ。 しかしその背後には、知られざる闇の力が存在していた。 その禁断の力にふれたものはみな奇怪な運命に翻弄されてゆく… 史実と虚構をたくみに織りまぜ、 異形のものどもの存在を描き出した戦慄の魔術的連作集。 邪悪なる七篇を収録。 (amazon.co.jpより)
こんな地球に生まれついたよ 何だかとても嬉しくて 何だかとても切なくて 大きな声で泣きながら (浜崎あゆみ evolutionより) この地球にボクら以外の知的生命体が住みついていたよ 何だかとても嬉しくて 何だかとても悲しくて 大きな声で泣きながら・・・ 彼らに貪り食われていく・・・ 人間以前の知的生命体。 触手や甲羅の奥にキラリと光る知性の目。 その邪悪さ、惨さ、とどまるところ知らず。
そんな彼らと結びついたのはナチス・ドイツ。 史上最悪最恐の組み合わせが招くこの世の地獄は7通り。
”伍長”の自画像 ヨス=トラゴンの仮面 狂気大陸 1889年4月20日 夜の子の宴 ギガントマキア1945 怒りの日
秀逸なのは『狂気大陸』と『怒りの日』。 戦時を上回る異常事態。 戦車3両、メッサーシュミット5機をもって備えなければならない。 狂気山脈の裏側に潜むのは一体何物なのか。 窓に映る蟹のハサミ。 恋人の隣人は一体何物なのか。
知ってはならない、決して目を向けてはならない 異界からの侵略者。
あいつの時代がくる。やって来る。来てしまう。 あいつが目覚めたら、わたしたちは滅んでしまうのよ。 なんといっても、わたしたちはあいつの夢だから――
この恐怖、絶望、是非味わってみてください。
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