★★★☆☆ 著者:荒山徹 出版社:新潮社 定価:1890円 出版年月:2006年4月 ボリューム:368P
朝鮮の陰謀からこの国を守れ― 柳生十兵衛をも凌駕する新陰流の遣い手にして、 後水尾天皇の陰陽師・柳生友景と、 朝鮮王率いる「征東行中書省」との凄惨極める妖術戦、 そして朝鮮柳生との息を呑む剣戟が今、幕を開ける! 隆慶一郎のスケールと山田風太郎の奔放さを併せ持った超新鋭が放つ、 奇想天外/天衣無縫の最新作。 (amazon.co.jpより)
*注意* 一 モスラが登場します 二 アンドレが登場します 三 オスカルも登場します それでも17世紀の極東が舞台の時代小説です。 ぼくが幼い頃、幼児用おもちゃの宣伝がテレビで流れていました。 やりたい放題
昨今の荒山徹は自由奔放、まさにやりたい放題です。 この小説にしてもそう。 柳生、江戸幕府、李氏朝鮮、陰陽道・・・ どこをどう繋ぎ合わせたら モスラだのベルバラだのが出てくるのか。
疑心は猜疑を呼び、 終章タイトル『韓流剣』⇒『嫌韓流』のパロディ? なんて愚にもつかないことまで考えさせられてしまいます。 荒山氏の掌の上で踊らされているよう。
ただ、今作に関しては少々本筋のストーリーが弱い感あり。 主人公・柳生友景があまりにもスーパーマン、 出てくる韓国陰陽師・妖術師が弱すぎる、 理由はいくつかあるかと思います。 でも! 他の作家が書いていれば、間違い無く忘れられなくなったであろう作品。 もはや荒山流にならされて感覚がマヒしているのか。
ドMがより強い痛みを求めるように、 ジャンキーがより深いトリップを求めるように、 荒山中毒者はより破天荒な物語を求めてしまうのでしょうか・・・
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌
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