★★★☆☆ 著者:南條範夫 出版社:文藝春秋(文庫) 定価:???円 出版年月:1986年9月 ボリューム:299P
抗争渦巻く戦国乱世、 近江の名門六角氏の本拠・観音寺城で何が起ったか― 城主高頼の嫡子氏綱の急逝で残されたのは 幼い嫡孫義実と京育ちの絶世の美女月の方だった。 家督を継承できなかった次子定頼の邪悪な執念が燃えたぎる。 甲賀者が活躍し、城盗りの策謀に明け暮れる乱世で、 残虐な武将の野望にさらされる美女の運命は? (amazon.co.jpより)
六角という戦国の中でも極めつけのマイナー大名。 管領代になってたり、将軍義輝の加冠の儀を行なったり、 なかなかに由緒格式ある大名家なのですが。。。 いかんせん、信長上洛軍に一蹴されてしまったため、 歴史的評価はかなり低いです。 ゲーム『信長の野望』でも、真っ先に滅ぼされる大名家の一つ。
そんな六角氏の居城、観音寺城。 規模は安土城、春日山城を超え、 本丸を家臣が居住する曲輪でびっしり囲った天下の堅城。 しかし、そんな堅城が史上幾たびとなく陥落しています。
なぜ??? という疑問に始まり、六角家の内訌を描いていくのが本書。 そもそも、 定頼⇒義賢(承禎)⇒義治という『信長の野望』でおなじみのラインが 実は六角嫡流でないことに驚き!!! 定頼には氏綱という兄がいて、その子孫が六角の名目上の当主でした。 どうでもいいっちゃどうでもいいことですけど。
そして、定頼・義賢親子の陰険な家督乗っ取りの野望、 悲劇に巻きこまれていく氏綱の系譜。 これがメインテーマですが、 感情移入できるような人物は1人も出てきません。 ドロドロの陰謀劇、そして舞台になるのは常に観音寺城。
陰険、卑劣を極めた義賢の最期・・・ 徹底した因果応報に貫かれた戦国お家騒動ストーリー。
観音寺に始まり、観音寺に幕を閉じる本書。 まさに城こそ悲喜劇の舞台であり、証人でもありました。 今も観音寺に残るとされる城の跡は、苔むした石垣は、 何を僕らに語ってくれるのでしょうか。
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