★★★☆☆監督:スティーブン・ギャガン 公開年月:2006年3月 出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ジェフリー・ライトほか CIA諜報員ボブは、息子の進学を機に、 キャリアに終止符を打とうと決心する…。 一方、一流法律事務所の弁護士ベネットは、 アメリカの巨大石油会社の合併調査を依頼される。 又、ジュネーブ在住の石油アナリスト・ブライアンは、 ある事件をきっかけに石油王の王子ナシールの相談役となる。 そしてパキスタン人のワシームは、母国を離れ中東の油田で働いているが、過酷な労働と人間以下の生活に希望を失いかける…。 (goo映画より)
豪速球の政治ドラマ。 ただ、見る者を選ぶ映画だと思います。 ↑のあらすじにあるように、 まるで関係性のない4人、結びつけるのは石油。 石油王が採掘権を中国企業に与え、 破れたアメリカ企業が合併により競争力強化を図るってところから 4人の運命がリンクし始めます。 面白いのは、政治、経済に主眼を置いておきながら、 アラブとアメリカ、両者の文化的相違を描く点。 最新式の警備設備をもつ豪邸に住みながら、鷹狩りを楽しむアラブの王族。 かたや、アメリカの石油富豪は銃でハンティング。 車座になっての王族会議と、フランクな経営会議。 むしろ、ワシームのようなアラブの下層階級が、 ハリウッド映画やベースボールを通じてアメリカ文化に触れている。 結局、お金持ちたちを結びつけるのは、金と石油だけ。 そもそも「理解」ではなく、「利益」のみを追求するのだから、 正義など存在せず謀略が渦を巻くのは当然のことか。 そして、両者の政治的、経済的、法的争いに翻弄された、 力無き者たちが有形力の行使に訴えるという現実社会と同じ結末。 設定やストーリー展開が複雑なため、 何となく映画を見たいって人にはオススメできませんが、 なかなか見ごたえのある作品。
スポンサーサイト
テーマ:映画★★★★★レビュー - ジャンル:映画