★★★★☆ 著者:朱川湊人 出版社:文藝春秋 定価:1650円 出版年月:2005年4月 ボリューム:264P
小さな妹がある日突然、 誰かの生まれ変わりだと言い出したとしたら―― 大阪の路地裏を舞台に、失われてしまった懐かしさを描く作品集。 表題作のほか、 「トカビの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」など全6篇を収める。 (amazon.co.jpより)
不思議でちょっぴり哀しい。 センチメンタル・ホラーの名手、真骨頂の短編集です。 表題作『花まんま』 ある日突然、習っていない漢字を書き、 知るはずもない町を語り出した妹。 誰かの生まれ変わりかもしれない。 半信半疑のまま、町を訪れた彼女と兄が体験する神秘。
「花まんま」ってそういうことだったのか。 うーーん、予想外。
路地で売りつけられた奇怪な生物を育てる少女、『妖精生物』 手に乗せると頭を貫くような快楽の爆発。 ニコニコマークで女の喜びを教える怪物の正体は・・・ 「禁忌」を破った少女が味わう結末、ラスト1行が見事です。
魂と肉体を切り離すマジックワードを囁く『送りん婆』 因業で哀しくて、それでもちょっぴり間抜けで哀しい。 これぞ朱川湊人って作品です。
『都市伝説セピア』を読んだときは、正直・・・。 不遜にも、この作家が直木賞か、と思ってしまったものです。 あにはからず、秀逸な短編集。 もう1冊読んでみたくなってしまいました。 次は『さよならの空』かな。
☆この作品を紹介しているブログ☆ 読むなび!(裏)さん
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