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ねぶかどねざる
独断と偏見に基づき、小説やマンガ、ゲームをぶった斬るブログ。               ★の数で評価(最大5つ)。オススメやコメントよろしく
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トリップ(by角田光代)
★★★★☆
著者:角田光代 出版社:光文社(文庫版あり)
定価(文庫):520円 出版年月:2007年2月 ボリューム:270P

普通の人々が平凡に暮らす東京近郊の街。
駆け落ちしそびれた高校生、
クスリにはまる日常を送る主婦、
パッとしない肉屋に嫁いだ主婦――
何となくそこに暮らし続ける何者でもないそれらの人々がみな、
日常とはズレた奥底、秘密を抱えている。
小さな不幸と小さな幸福を抱きしめながら生きる人々を、
透明感のある文体で描く珠玉の連作小説。
直木賞作家の真骨頂。
(文庫版裏表紙より)


でもわたしはいらいらしたのだ。
彼は永遠とは程遠い何かを無頓着に永遠だと信じ込んでいる。
自分やものごとや周囲や、
だれかが突然かわってしまうことに知らないふりをしている、
もしくは、そんなことはないと思いこもうとしている。
自分が道を踏み外すことなんかないと思っている。
たとえこの家庭が自分の望んだものと少々違うものであったとしても、
何もかわらずずっと続いていくのだと、
怠惰に似た無邪気さで思いこんでいる。
そしてそのことはわたしが今もっともおそれていることだった。
(本書20Pより)

今日と変わらぬ明日が来る。
そんな境遇にいることに違和感を感じつつ、脱却できない人々。

駆け落ちに失敗した女子高生、薬物中毒の主婦、
無気力な専業主夫、コロッケすら揚げさせてもらえない肉屋の嫁、
大学の同級生を追い続けるストーカー、夫と別れ喫茶店を開店した中年女、
父無しいじめられっ子、古本屋のミイラ店員、
妊娠してしまった不倫相手を押しつけられたフリーター、
何をやっているのか分からないまま旅を続ける女、、、

日常に倦みつつ、ただそこにいることすら「許されていない」と感じる、
どうしようもない面々です。

何をしているのか、どこへ向かっているのか、
自分が選んできた道は正しかったのか、
まさに五里霧中。
それでも生きる事を止められない人の性。

白眉は、喫茶店アン店主の中年女が主人公の『百合と探偵』。
自分の店の客への痛罵で始まる衝撃のストーリー。
影をちらつかせる探偵は何を探しに来たのか。
「百合」とは・・・
やるせなさ、切なさ爆発のエンディング、
こんな衝撃にはなかなか巡り合えません。

『空中庭園』で見せた乾いた日常のリアル、健在です。

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テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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