★★★☆☆ 著者:柴田錬三郎 出版社:新潮社(文庫) 定価:605円 出版年月:1998年12月 ボリューム:375P
陰謀、裏切り、卑劣。 戦国期随一の奸雄、斎藤道三の悪辣残酷な血と その宿運を描く「斎藤道三残虐譚」。 佐助と才蔵、卓越した二人の忍びが天下の再びの争乱を謀った・・・ 信長暗殺を大胆な構想で描く「本能寺」。 鎌倉から戦国まで武士たる者の壮絶な一瞬を捉えた 歴史譚集「もののふ」「戦国武士」等、 激動期に生命を賭して美を貫いた男どもの 苛烈極まりない死に様を描く12の傑作。 (amazon.co.jpより)
近衛兵の叛乱・竹橋事件、幕末~明治の仇討ち譚など、 異色の歴史短編ばかり12篇。
源義家、為朝、斉藤実盛、平忠盛ら、 源平時代の武士(もののふ)のありようを描いた「もののふ」。 もののふらの生き様・死に様の凄まじさ。
侍になりたいと足軽になった農民・茂平の悲劇を描く「生命の糧」。 テーマ自体は聞いた事があるようなものですが、 舞台は室町時代前期の信濃。 茂平の妻の悲哀もスパイスとして効いています。
豊臣秀吉、太田道灌、織田信長ら、 戦国武士の逸話を集めた「戦国武士」。
さらに、御子神典膳、徳川家康の逸話を集めた「武士気質」 「もののふ」・「戦国武士」とともに、 爺さんから炬燵で物語を聞くような何とも言えぬ風情漂います。
斉藤道三の成り上がりと最期を描く「斉藤道三残虐譚」。 描かれるのは徹底した極悪非道、冷酷無比。 実は良い人だったみたいなごまかしは一切無し。 むしろ胸のすくピカレスク。
ミステリー仕立てに本能寺の変の謎を解く「本能寺」。 歴史の陰に忍者あり、ですか。
幕末最大の野心家・清河八郎の最期を描く「浪士組始末」。 時代のきな臭さを一身に体現した男の生き様です。
その他、「乱闘高野街道」、「竹橋血闘譚」など、 逸品揃いの短編集。 ご堪能あれ。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌
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