★★★☆☆ 編者:朝松健 出版社:東京創元社(推理文庫) 定価:1365円 出版年月:2002年9月 ボリューム:797P
現代編には、TVドラマ撮影現場に潜む恐怖に始まり、 ラヴクラフトの生地を覆う影に至る多彩なクトゥルー神話十七編を収める。 《小説》安土萌、荒俣宏、飯野文彦、倉阪鬼一郎、小林泰三、佐野史郎、 柴田よしき、妹尾ゆふ子、竹内義和、田中文雄、友成純一、友野詳、 南條竹則、平山夢明、伏見健二、牧野修、村田基 《評論》霜月蒼、原田実 (amazon.co.jpより)
地の底に潜み、「そのとき」を待つ先支配者たち・・・ クトゥルー物の代表作、『インスマウスの影』・『ダンウィッチの怪』、 それをドラマにしようとする度に起こる怪異を、 佐野史朗が描く「怪奇俳優の手紙」。
ホームレスにまで身を落とした男が転がり込んだ叔母のもと。 都内の高級ホテルで暮らす彼女の富裕のわけとは。 ベタな話なんですが、丁寧な語りと、 脳内に仕掛けられた・・・という展開がツボ。 一見、縁もゆかりもなさそうな老人の訃報が教える絶望の到来、「泥濘」。
格安の家賃で住む事ができた一軒屋。 庭の隅にあるバラックは何のため? 次第におかしくなっていく妻、、、 自宅近辺に集ってくる異形の者たち。。。 主人公がタクシー運転手という設定が巧く使われてます。 平山夢明が描く「或る彼岸の接近」。
信じることが生む神とそんなことにはお構いなしに存在する神、 二つの神の対比が面白い「夢見る神の都」。 ドラゴンヘッド的冒頭、 原因・結果全く説明ないままの神話的バトルがむしろ清清しい、 「暗闇に一直線」などなど。
唸らせる作品ぞろい。 歴史編より面白く読めました。
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テーマ:ホラー - ジャンル:本・雑誌
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