★★☆☆☆ 著者:加門七海 出版社:光文社(文庫) 定価:560円 出版年月:2006年3月
人身事故のため、停車中の通勤電車内。 男は網棚付近に漂う黒い靄のようなものを目撃する。 他の誰も気づかないが、禍々しい気配を放つ何か・・・ やがてそれが男に向けて迫ってきたとき、 彼を襲った身の毛もよだつ出来事とは?(表題作) 実話怪談の名手でもある著者が描く、 日常の隙間から立ち現れる怪異の数々! 書下ろし作品を含む全八編を収録する。 (amazon.co.jpより)
何の変化もない、昨日と同じ平凡な日常のはずなのに。 日常の小さなほころび、 そこから侵入してくる異界の構成要素。
印象に残ったのは、表題作と「恋人」。
月曜の満員電車、 誰もが経験した不愉快の中、 平凡なサラリーマンが目にしてしまったオワスレモノ。 黒い靄のようなかたまり、 見てはいけないのに見入ってしまう。 残された思いが導く新たな悲劇。
赤いヒールの女。 目撃証言もある、痕跡もある。 それなのに姿は見せない。 焦らし焦らして、結末に持っていく。 内容的には完全なホラーですが、 サスペンスとしても面白い。 技巧十分の作品。
猛暑の良薬、怪談話。 読後感も大変お悪くなっております。
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テーマ:ホラー - ジャンル:本・雑誌
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