ねぶかどねざる
独断と偏見に基づき、小説やマンガ、ゲームをぶった斬るブログ。               ★の数で評価(最大5つ)。オススメやコメントよろしく
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夕映えの剣(by高橋義夫)
★★★★☆
著者:高橋義夫 出版社:講談社(文庫版あり)
文庫(ベストセラーズ)=>定価:670円 出版年月:2005年1月

浪人・森要蔵は妻子を連れ、
仕官口を求めて上総下飯野村にやってくるが、思うに任せない。
見かねた世話好きな商人に助けられ、救われる思いで厄介になる。
その後、運命は一転、北辰一刀流、
千葉道場高弟としての腕を見込まれ飯野藩剣術指南役に、
また江戸で開いた道場は門弟も八百を超え、その名声を高めたが、
幕末、忠義を通して会津軍に身を投じ、凄絶な最期を遂げる...
要蔵の不器用なほどの剣術へのひたむきな姿を描く表題作也、
剣に生き剣に死んだ男たちの、奥義を極めた異能の剣客列伝。
(amazon.co.jpより)


剣に生き、奥義を極めつつ、剣に死ぬ。
自らの技能を極限まで燃焼し尽くした極上の生です。
剣客たちの人生を列伝形式で綴ったもの。

剣豪・宮本武蔵のライヴァル、佐々木小次郎。
出生年も不明な彼ですが、どうやら富田流の流れを組むよう。
謎に包まれた剣客の人生、不羈という観点から巧みに描いていきます。

べつに欺そうと思ったわけではない。
あのときはほんとうにみねを欲しいと思ったのだ。
そうして手に入ったら、飽きてしまったのだ。
どちらもほんとうの気持ちで、
自らでさえ曲げたりたわめたりすることができない。
風が強くなって雪に流れた。
(本書p.48より)

野犬同様に拾われた犬法師丸。
自分ですら抑えられぬ不羈の性を持った野生児は、
兄弟子を殺し、師すら破り、剣の人生の幕を自分で開ける。
巌流島を書かずに小次郎を書き切った、「旋風の剣」

剣聖・上泉伊勢守の弟にして、陰ノ流の流れを汲む上泉主水。
主家・長野家滅亡後、猟師同然の暮らしをおくり、独自の剣を磨いていく。
漸く実現した兄との邂逅、
投げられる衝撃の一言。
そこに訪れる上杉家からの仕官の誘い。そして長谷堂合戦。
彼がどう生きたか、
自らの生をどう考えていたか、
首級のみが物語る、「影の剣」。

近松門左衛門に近づいてきた、石川五右衛門の子孫を名乗る乞食僧。
彼が明かにする怪盗・五右衛門の奇天烈な人生。
五右衛門、剣豪なり。しかも吉岡憲法の高弟。
彼の子孫にまとわりつく、黒い穴のような虚無の目。
血の業を描く凄まじい一篇、「立つ波の剣」。

小藩の穀潰し・熊次郎。
ふとしたことから出遭った針ヶ谷夕雲の剣に惹かれ、
転々流浪の修業人生。
藩の権力争いに巻きこまれ、売女のひもになり、
それでも彼が辿りつく境地は、相ぬけ。
畜生剣・畜生道を歩みつつ、
それでも剣を諦めなかった者だけが辿りつく至高の境地。
熊次郎の人生との重なり合いが印象的な「浮雲の剣」。

表題作、幕末期という剣術が再注目された時代。
そこに剣の腕一本を持って生き、剣に死んだ男・森要蔵。
不器用な彼の出世譚・家族譚を絡めつつ、
時代の空気を見事に描く、「夕映えの剣」。

いずれも見事。
技量も迫力も十分。
ご隠居ものや、農村・山村の奉行を主人公にした作品が多い著者ですが、
今後は剣豪ものも増やしていって欲しいです。

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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

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