★★★☆☆ 著者:岳宏一郎 出版社:毎日新聞社(文庫版あり) 文庫(講談社・上)⇒定価:?円 出版年月:2001年7月
謀将、黒田官兵衛は秀吉に賭けた!! あふれんばかりの知謀を持つ男は田舎大名の家臣に甘んじはしない。
播磨の田舎大名の家臣にすぎなかった男、黒田官兵衛。 天下布武をめざす織田信長の下に伺候した彼は、 2人の類まれな大名に出会う。 1人は誇り高き武人・荒木村重、 もう1人は才気あふれる苦労人・羽柴秀吉。 官兵衛はみずからの運命を切り拓くべく、 秀吉のためにその脳髄を絞りつくす……。(『乱世が好き』改題) (amazon.co.jpより)
下克上の戦国乱世。 明日の安心は無い世界と言ってはそれまでですが、 己の才覚・風向き次第ではどこまでも大きくなれた時代でもありました。 戦国という時代の空気を体現した人物、 戦国一の博打打ち、それが黒田官兵衛です。 黒田官兵衛 ⇒ 羽柴秀吉の軍師、中国大返しのキーマン みたいな連想がすぐ働きますが、 本書の面白いところは、荒木村重との友人関係を軸にしているところ。
村重に光を当てれば、当然信長を描かなければいけないわけで、 これがなかなか巧く表現されているわけで。 そして、信長が村重に抱いた、 一種の「恐れ」というか、遠慮というか、何とも微妙な感情、 村重の信長に対する不信感、 いろいろな要素が絡まって謀反へと結びついていきます。 ここらへんの機微が巧く描かれているわけです。
そして、官兵衛自身の人物造形もいい。 人を見る目には長けていても、人が自分をどう見ているかは分からない。 彼が秀吉から受けた処遇を見る限り、言い得て妙では。
ただ、ロマンを知らないというのはちょっと?。 むしろ理想を知らないということではないのか。 天下に望みをかけて関ヶ原のときに九州を席巻したり、 村重の妻・たしに叶わぬ思いを抱いたり、 官兵衛はかなりのロマンチスト。 ただ、それが己の夢であり、 人を引っ張り込むような理想を持たなかったということではないか、と。
戦国というスロット、自分の人生を元手に一発勝負! 自分の死すら権謀のネタにした、 天生の謀略家、ギャンブラーの生き様、凄すぎます。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌
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