★★★☆☆ 著者:朝松健 出版社:光文社(時代小説文庫) 定価:660円 出版年月:2000年11月
その男は龍にならんとする蛇か? ―琵琶法師を殺めて奪った古文書が、 油売り・庄五郎の野心を烈しく燃やす。 そこに記されしは邪淫教立川流の秘儀! 天下を取り、女を抱くため、 古文書にしたがい、魔物と約定を交わす庄五郎。 彼が辿る凄絶な運命とは?(書下ろし「魔蟲伝」) 戦乱の昏き世。 足利が織田が豊臣が、そして妖異の者たちが描きだす壮大な伝奇絵巻。 (amazon.co.jpより)
百鬼怪々、 秩序が崩れた室町の世を跋扈するこの世ならざる者たち。 梟雄・斎藤道三の国盗り譚に立川流を絡めた、「魔蟲伝」 土佐一条家を呪う奇怪な男児の正体は・・・、「かいちご」 時空を超えるは世阿弥の至芸、「『俊寛』抄-または世阿弥という名の獄」
いずれも室町という時代の雰囲気を見事に活かしたホラー短編。 室町の空気とは何かと言えば、猥雑か。 それもエネルギッシュではなく、 果実が食べごろを通り越して崩れていくような。 蝿が飛び交うような猥雑さ。
そんな空気だから、 日本史上どこにも類似性を見出せないような空気だから、 立川流、魔物、クトゥルーなど、 伝奇要素が水を得た魚のように活き活きとし始めるわけで。
うまい素材を見つけたものだと思います。
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テーマ:ホラー - ジャンル:本・雑誌
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