評価:★★☆☆☆ 著者:平山夢明 出版社:竹書房 定価:580円 出版年月:2007年7月
シリーズ10冊目にして初のまるごと一冊平山夢明である。 濃い、そして深い。 或るときは薄皮を剥ぐがごとくじわじわと、 また或るときは一瞬にしてナイフを差し込む鮮やかさで、 怪異の深奥へと迫っていく。 そこから見えてくるのは、怪談―ひいてはこの世ならざるものに対する、 驚くほどに真摯な彼の姿勢と眼差しである。 そうして大胆かつ繊細に抉り取られた恐怖に、我々はただただ魅せられてしまう。 怯え震えながらも、なぜか目を瞑ることができない甘美な金縛りにでも遭ったかのように。 平山夢明は言う― 「本当に怖い話しか入れない。だって「超」怖い話なんだから」。 そう、タイトルに偽りはない。 これまでも。 そして、これからも…。 (amazon.co.jp)
一番怖い怪談本、本っ当に怖い怪談本は何か? と聞かれたら、迷わず挙げる「超」怖い話シリーズ。
10冊目である本作にいたるまで、 看板に偽りなしの恐怖が満載。
読み進めるうちに頭の芯がキーンと冷えてくる。 ここまでの恐怖感を読書によって得られる。 ある意味、幸せなのかもしれません。 と、感じてしまう僕は、すでに「怖い話ジャンキー」なのかも。
もはや実話かどうかはどうでもいいのかも。 この恐怖の快感を与えてくれるなら・・・
冷静になって振り返って、何が怖いかといえば、 ①理由の無さ ②回避不可能 ③自分にも起こるかも といったあたりか。
この3つの要素いずれも兼ね備えた、 まさに本作最強の怪談、「殲滅」・・・ 人間の絆までイヤーな形で破壊する構造を含んだ、地獄の物語。
これを読んでもまだ、 「怪談? くっだらねぇ」と言い切れるか。
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テーマ:ホラー - ジャンル:本・雑誌
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