評価:★★★☆☆ 著者:笹沢左保 出版社:祥伝社 定価:1400円 出版年月:1994年8月
四代将軍家綱の下、幕府の最高権力を握ったのは大老酒井忠清だった。 家綱が重病に臥し後継問題が持ち上がった時、 忠清に対し若き老中堀田正俊が敢然と反旗を翻した。 権力者の栄枯盛衰を描く歴史小説。 (amazon.co.jpより)
盛者必衰、 並ぶものなき勢威を誇った下馬将軍の時代もついに終わりを迎えるわけで。
本作の柱は2つ、 大老酒井忠清の失脚と大老堀田正俊の暗殺。
前作で寛永の遺老は死に絶え、 譜代門閥のトップ・酒井忠清が幕閣の首座に。 愚かではないものの、ビジョンはない。 ただただ、権力を己のために行使する酒井忠清の政治。 しかし、彼の時代も、「そうせい公」家綱の死とともに終焉へ。
5代将軍綱吉誕生の立役者として、大老に任じられる堀田正俊。 しかし、綱吉も正俊も、お互い譲らぬ完璧主義者。 似た者同士であったがゆえに招来される悲劇・・・
面白いのは、家綱や稲葉正則(酒井忠清の腰ぎんちゃく)など、 時代を去り行く者の口を借りて、「予言」がされるところ。 すでに利害を超越したものゆえに、 次に起こることがはっきり見えるということか。
次巻はいよいよ犬公方・綱吉の悪政。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌
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