評価:★★☆☆☆ 著者:半村良 出版社:河出書房新社 定価:1800円 出版年月:2009年2月
『徒然草』の兼好法師には裏の顔があった! 皇位をめぐる争い、下克上を求め動めく民衆の異様な動きの影で兼好の画策する陰謀とは。 伝奇小説の巨匠が大胆な推理を元に描く本当の太平記の世界。 半村良幻の作品。初の単行本化! (amazon.co.jpより)
半村良幻の作品。
裏太平記。 何が裏か。
まず、扱う時期が面白い。 太平記と言えば、後醍醐が起ち、北条滅亡、 そして尊氏との対立、南北朝へ。 という流れですが、本書が主に扱うのは、後醍醐が天皇になるまで。
その黒幕に吉田兼好を配すというのがポイント。 実働部隊は、無名法師以下のアウトローたち。
貨幣経済の浸透や皇室財産の総領による掌握など、 鋭い指摘があちこちに。 「歴史破壊」というほどのインパクトは受けませんでしたが。
太平記という毒々しい果実、 もう少し毒味を活かすのも良かったかも。
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テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌
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