評価:★★★☆☆ 著者:船戸与一 出版社:集英社(文庫版あり 上下巻) 文庫(上巻)⇒定価:780円 出版年月:2003年5月
トシオ・マナハン、13歳。 フィリピン、セブ島のガルソボンガ地区に祖父と住み、 闘鶏用の軍鶏を育てる日々だった。 奥地の「虹の谷」には元新人民軍のゲリラ、ホセ・マンガハスがひとり住みついて闘い続けている。 そこへ行く道はトシオしか知らない。 日本から戻ってきたクイーンを谷に案内したことから、 トシオはゲリラたちの内紛に巻きこまれていく。 直木賞受賞の壮大な少年の成長物語。 (amazon.co.jpより)
「だれにも喋るんじゃないよ、ジャピーノ、わかってるね? 昨日と今日、虹の谷で何が起きたかを」 (本書p.158より)
セブ島のガルソボンガ地区で闘鶏を生業にする少年、トシオ。 彼が祖父と暮らすガルソボンガ地区は、フィリピンにつきものの腐敗はあれ、 変わらない日常が訪れる何の変哲も無い村。
その日常を破る来訪者、クイーン・・・
この村の出身という彼女の登場から壊れだす日常、 そして、トシオの人生も大きく転変していくことに。
信じていた人の崩壊、 友だちとの別れ、 初恋とその終わり・・・ トシオが過ごす3年間、 作中でドクトル・ナカノが言いますが、 10代前半の1年は大人にとっては5年分にも当たるような濃密な時期。
物語が終わるとき、 トシオはどのように変わっているのか。 そして、その物語を読んだ者はどう変わるのか。
単なるハードボイルドに終わらない一冊。
スポンサーサイト
テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌
|