★★☆☆☆ 著者:高橋直樹 出版社:文藝春秋(文庫版あり) 文庫(文春)⇒定価:550円 出版年月:2002年6月 ボリューム:286P
崩れゆく名門武家におこる小さな波乱を、 側近の城士の目から語る「尼子悲話」。 石田三成の軍勢に包囲され落城間際の伏見城で、 四人の百姓足軽がみる一夜の夢と城抜け「闇の松明」。 戦国の将卒の生と矜持を、さわやかな哀感をこめてみずみずしく描き出し、 鮮烈なデビューをはたした著者の初期傑作短篇集。 (amazon.co.jpより)
戦国という時代が背負う業、かくも深いものなのか。 山陰の名門武家、尼子一族。 当主晴久が一門衆新宮党へ抱いた嫉妬をきっかけに、 一族は滅亡への途を歩み始める。 新宮党からも信頼されながら、 彼らを討つ尖兵にならざるを得なかった武士の思い・・・
良心の呵責に苦しみ続ける筑前黒田家筆頭家老栗山備前。 秀吉の天下統一の陰で彼が行なったヨゴレ仕事とは・・・ 実行犯の一人 兵介の欲から全てが崩れていくシーンは見事。
本多忠勝や井伊直政への妬みか、 執念にかられ伏見城に篭る、蛇爺こと鳥居元忠。 彼の領地から徴用された足軽少年4人の野望、 互いに抱くひねくれた恋愛感情・・・
業深いドラマは、時代のゆえか、人の性ゆえか。 味わい深いけど、『鎌倉擾乱』や『戦国啾啾』の方が上。
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テーマ:歴史小説 - ジャンル:本・雑誌
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